2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧
今年の夏は、ちょっとばかり粋な顔をしている。土用の丑の日が二回あるなんて、そんな粋なはからい、なかなかないじゃないですか。 一回目で満足してたら、二回目がひょっこりやって来る。それはもう、夏の神さまからの「もう一杯どうぞ」みたいなもので。だ…
明日香村をぶらぶら歩いていると、ときどき足元に「えっ!?」と思うものがいる。いや、いるというか、くっついているというか。今回のは、稲の茎にぴたりと貼りついた、目の覚めるようなピンク色。 まるで誰かがガムを丸めて貼りつけたみたいなその物体、正…
藤原京跡のハス池に、朝の涼しいうちに出かけた。夜明けの余韻がまだ地面に残っていて、草の葉にしずくが光っていた。 ハスの花はちょうど見頃を迎えていて、薄紅色の花びらが朝日に透けている。ああ、来てよかったなぁと思いながら、ふと視線を落とすと、芝…
夜、玄関の灯りにふと目をやると、そこにいた。セミくんが、ちょうど羽化を終えたところだった。 殻を背負ったまま、じっと壁にとまっている。翅はまだやわらかく、半透明。光を受けて、うっすらと緑に縁取られているのがわかる。白い体との対比が美しくて、…
このあいだ、祇園祭の後祭にふらっと行ってきた。なにしろ夏祭りというのは、暑いのに人が出てくるという妙な魅力がある。夕方、少し風が出てくると、ついぶらぶら歩きたくなる。そのまま気がつけば、どこからか聞こえるお囃子につられて、鉾の足元に吸い寄…
万葉文化館の前で小さな実に詰まった夏の記憶 万葉文化館の前で出会ったのは、小粒ながらぷりっと張ったデラウエア。これはもう、「買って帰らずにはいられない系」の果物です。手にとって、ああ、夏がきたんだなぁと、ひとり納得。ぽいっとかごに入れて、バ…
石上神宮の境内をぶらぶらしていたら、ふと前を横切った影。あ、と思ったときには、もう視界のど真ん中にニワトリくんがどっしり構えていた。 まるで「わたしが主ですけど、なにか?」とでも言いたげな態度。それもそのはず、ここ石上神宮では、ニワトリが神…
橿原神宮の森でカラスに出会った。 黒光りの羽根を陽に透かせて、一本の切り株にとまっている。近づいてみると、どうも暑さに弱いらしい。くちばしを開けっぱなしにして、口呼吸みたいなことをしていた。なんだか犬のようでもあり、ちょっと間抜けで、でもか…
夏の盛り、土用の丑の日に鰻をいただくという風習。これ、どうも江戸時代に平賀源内が広めたという話が有名ですが、もっともっと遡って、古代の人々も「夏をどう乗り越えるか」にはずいぶん頭を悩ませていたようです。 たとえば、万葉集。 奈良時代に編まれ…
雷丘から北へ少し歩いたところに、ぽつんと現れるバス停がある。「明日香小山」という名前で、あまりに静かな場所にあるものだから、最初は「あれ?これ、ほんとに使われてるの?」なんて思ってしまった。 まわりには商店もなければ、自販機すらない。でも、…
ある夏の日の午後、ベランダにぽとりと落ちてきたのは、一匹のクワガタくん。ちょっと驚いたけれど、彼はとてもおとなしくて、しばらく指の上でじっとしていた。 せっかくだから、涼しげなガラスの器を前に、一緒に一杯……。そんな気分で写真を撮ってみた。 …
日曜日の夕方、京都市内をなんとなく歩いていたら、ぽつぽつと雨が落ちてきた。ほんの少し湿った風が肌をなでていく。そういえば、祇園祭の季節だった。なんだかんだ毎年来ているけど、何度見ても山鉾が建っていく様子というのは飽きない。まるで、毎年同じ…
奈良生まれの「大和ルージュ」は、アントシアニンをたっぷり含んだ真紅のスイートコーン。粒のひとつひとつが宝石みたいにきらきらしていて、なんともフォトジェニック。これをお米といっしょに炊き込むと、ふわりと赤紫に染まって、赤飯のような、でももっ…
朝からやけに空が青くて、冷蔵庫の麦茶に手を伸ばす前に、ふらりと植山古墳公園へ。 石柱に「植山古墳公園」と彫られている。白い雲ひとつない空に、この石の影がくっきり落ちていた。こういう風景を見ると、なんだか昔の人も見てたのかも、なんて思ってしま…
道の駅でトイレに寄っただけなのに、もう帰れなくなってしまった。いや、大袈裟ではなくて、ツバメの雛たちがね、あんなふうにしていたら、足が止まらない方が不自然というものだ。 軒先のあの定番の場所に、いつのまにか立派なおうちができていて、そこにち…
祇園囃子が、ふいに耳に入ってきた。あぁ、もうそんな季節か、と手を止めてしまう。蒸し暑い京都の路地をぶらぶら歩いていると、赤い提灯が風に揺れている。パタパタと団扇の音も、どこかから聞こえてくる。 毎年この時期になると、前祭か後祭かでひと悶着あ…
いい朝だった。 藤原京のハスが咲き始めたと聞いて、少しだけ早起きをした。カメラを肩にかけて外に出ると、すでに空気はぬるく、夏のにおいがした。 ハス池には、思っていたより人がいた。それぞれ黙々とレンズをのぞきながら、じっと朝日を待っている。私…
大神神社は、三輪山をご神体とする、日本最古の神社のひとつだという。 山そのものを拝む、という古代のスタイルは、なんとも潔くて気持ちがいい。拝殿の向こうに見える三ツ鳥居、そのさらに奥に、緑濃い三輪山。静かに佇んでいるだけなのに、胸のあたりがす…
蓮が咲き始めると、夏が来たなぁと思う。去年の7月16日、カメラをぶら下げて、朝の藤原京をぶらぶら歩いた。 あのあたり一帯は、飛鳥から遷都された「藤原京」の跡地。持統天皇が、律令国家のかたちを整えようとした時代の、いわば壮大な実験場みたいな場所…