いい朝だった。
藤原京のハスが咲き始めたと聞いて、少しだけ早起きをした。
カメラを肩にかけて外に出ると、すでに空気はぬるく、夏のにおいがした。
ハス池には、思っていたより人がいた。
それぞれ黙々とレンズをのぞきながら、じっと朝日を待っている。
私もそのひとりに混ざって、咲きかけの花を見つけては、少しだけいい顔になる。
香りがふわりと漂ってきて、ミツバチたちも働きはじめた。

空はまだ白っぽい。そこにじんわりと太陽がにじんできて、ああ今日も暑くなるなと思う。
家に帰って、冷たい麦茶を飲んで、ごろりと横になる。
朝からいいことをした日は、もう一度眠っても許されるような気がしている。